引き出物とは?
結婚式に参加してくださったお礼に送る品物のこと。割り切れる数は縁起が悪いと言われており、一般的には3品用意します。しかし、地域に差があり、多い地域は7品ということもあるので、確認が必要です。基本的に食器などの品物のみだけではなく、引き菓子、縁起物を合わせ、計3品贈ります。3品の合計金額が、想定した金額になるよう構成します。
縁起物は「昆布」「梅干し」といった商品。「昆布」は「よろこぶ」、「梅干し」は「冬に負けない梅の花」に通じるとして、めでたい場面に相応しい贈り物とされています。ただし、贈ってはいけない品物があります。刃物やはさみといった縁を「切る」ことを連想させるもの、重箱といった「重なる」=重婚を連想させるもの、サル=「去る」を想起させる、櫛=「苦しむ、死」を連想させるものです。また、ボールペンなどは定番のように見えますが、「もっと勤勉に」を連想させるため、目上の方に贈るのは不適切と言われています。
引き出物の贈り方
■水引
引き出物の場合は、「簡単に解けない」紅白の結び切りの水引が相応しいです。簡単に解けないということは、二人の縁が切れないということ。末永く二人で歩んでいく、という願いが込められています。水引の本数は「10本」。こちらは割り切れる数ですが、「二つの家が手を結ぶ」ことを表しているので、10本が相応しいです。お互いの家で5本ずつ、奇数と奇数を足したもの、「十分に満ち足りている」に通ずるなど、様々な理由が考案されています。また、水引には紅白だけでなく、金銀や赤金のものもあります。
■表書き
表書きの上段には、お祝いを示す「寿」と書きます。のしに名前を入れる際は、両家の苗字を書きましょう。新郎の苗字を右に、新婦の苗字を左に書くのが一般的です。こちらは旧姓を書きます。新郎が婿養子で入る場合は、左右を逆にします。
近年はどちらでも良いという方も増えてきたので、話し合って決めるのが良いでしょう。苗字ではなく名前を書く・下の名前のみを並べて書く、と様々な事例があります。結婚式のしきたりも、お互いらしさが重視される時代。基本的な決まりはありますが、こだわりがある場合は、話し合って決めていきましょう。
■のしの掛け方
のしを包装紙で包んでしまう「内のし」、表書きを見せる「外のし」があります。一見、表書きが見える「外のし」が良いと思えます。昔も「外のし」が行われてきました。風呂敷などで、のしごと品物を包んでから、相手に渡す時に出して送るという手順です
ですが、現代では、当日に風呂敷から一つずつ出す、という手間をかけることはできません。準備する花嫁・花婿側が大変ですし、なによりゲストの方を待たせてしまいます。また、袋に入れる時に破けたり、汚してしまう可能性があります。品物を袋に入れ、かつ包装紙で包んだ「内のし」形式が現代では手軽かつ、お互いにデメリットがない方法ですね。
■のしの語源は?
ちなみに、のしとは薄く切ったアワビの肉のことです。とても意外なものですが、これは「熨斗鮑」というもので、昔はとても縁起の良い食べ物とされてきました。「熨斗」は延寿=寿が延びる、という意味にあてはまり、鮑は長寿をもたらす食べ物とされてきたからです。この干した鮑を、縁起物として贈答品に添えて来ました。やがてそれらが簡略化され、鮑を模した飾り、水引が印刷されたものを、のしと呼ぶようになったのです。
■メッセージカードで気持ちを添えて!
引き出物にメッセージカードを添えると、とても喜ばれます。その際、手書きで書くとより気持ちが伝わる上、貰った方も嬉しいものです。ですが、忌み言葉や重ね言葉などには気を付けて!
忌み言葉とは、不幸を連想させる言葉です。「死」「苦しむ」はもちろん、「別れる」、「離れる」などもNG。「短い」「とんでもない」「忙しい」「焦る」「再び」など、一見なんでもなく使ってしまう言葉も入っています。
重ね言葉は、「繰り返す=結婚を繰り返す」に繋がるので、結婚式では使わないほうがいいとされています。「かえすがえす」「かさねがさね」「どんどん」「ますます」などが重ね言葉です。
ですが、全て使ってはいけないという訳ではなく、後に良いエピソードが続くなら大丈夫ともされています。「どんどん幸せが重なって……」といった意味ならOKなんですね。メッセージカードを書く場合は、一度忌み言葉・重ね言葉を調べてから取り組んだほうが良いでしょう。
メッセージカードは、三文構成にすると伝わりやすいです。
一行目:感謝
「本日はご列席下さりありがとうございます」「遠くからきてくれてありがとう」など
二行目:一行エピソード
「いつも温かくお見守りくださり感謝しています」など
三行目:締め
「感謝を込めて」「これからもよろしくね」など
というものです。もちろん、これは基本的な構成。親しい方にはこれまでの想いを込めて、三行に縛られず、積もる話をたくさん書いて渡しましょう。
そんなのがある?引き出物・引き菓子
■引き出物
ちょっと変わった食器です。贈る方の名前が入ったお皿です。これを披露宴のお皿として使うことで、席札としても、ギフトとしてプレゼントすることもできます。当日の品を持ち帰ることで、思い出をそのまま残せます。
とってもお洒落な花の箸置き。贈る方のイメージに合ったお花にすると、より思い出深いプレゼントになります。
透き通った花や草が美しいコースター。ナチュラル志向の方に喜ばれますね!
インテリアをプレゼントする場合、充電器という案もあります。このようなシックなデザインなら、ギフトにも喜ばれます。
■引き菓子
王道のバームクーヘン。シンプルかつ、老若男女問わず食べやすい。誰にでも喜ばれるプレゼントです。
爽やかなみかんシロップや、ポン酢、お菓子の詰め合わせ。こちらも王道のギフトです。
可愛らしい花の形のもなか。中はスープが入っています。見て楽しめる、食べておいしい、二度楽しめるギフトですね。
日持ちするパンなら、ギフトとして贈ることもできます。甘いものが苦手という方や、パン好きの方に*
どうでしたか?
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