日本の伝統的婚礼衣装である色打掛は、日本女性の憧れです。色のバリエーションと同様に、施される柄の種類もたくさんあり、その模様1つ1つ意味が込められています。
こちらの記事では、色打掛に施されている模様の意味をご紹介しますので、ぜひ色打掛を選ぶときの参考にしてくださいね!
※色打掛とは※
白以外の打掛のことを、色打掛と呼びます。和装では、白無垢よりも格下として扱われていますが、現代では白無垢と同格として扱われています。室町時代、武家の婚礼衣装として多く用いられていましたが、その美しさから裕福な町民や豪農にも広がり、古くから親しまれている婚礼衣装です。
※伝統模様の種類※
色打掛に施される模様には、「吉祥文様」と「季節柄」の2種類があります。
「吉祥文様」とは、良い兆し、おめでたいしるしを表現した文様をまとめて言います。中国から影響を受けたものや、日本で縁起のいいとされるものなど、たくさん種類があります。定番のモチーフは、鶴、鳳凰、亀、松竹梅、四君子、御所車、熨斗などです。
「季節柄」とは、四季を感じさせる模様のことで、季節ごとに咲く花をモチーフにしています。春は、「桜・桃・藤・椿・牡丹」、夏は、「紫陽花・笹・竹・菖蒲」、秋は、「紅葉・萩・桔梗・撫子」、冬は、「菊・松竹梅」などです。
※模様の意味※
「吉祥文様」と「季節柄」の中でも、婚礼衣装でよく選ばれる定番の模様の意味を7つ紹介します。
1.鶴
鶴は、一度パートナーを決めると、その鶴と一生添い遂げ、例えどちらかが死んでも、新しいパートナーを作ることはありません。このことから、夫婦円満の象徴とされています。また、「鶴は千年、亀は万年」というように、長寿の意味も込められています。
2.鳳凰
鳳凰は、古来より中国で言い伝えられてきた伝説の鳥です。平和な世界が実現したときに現れると伝えられているため、「平和の象徴」とされています。とても華麗で美しい姿をしているので、飛鳥時代から親しまれています。
3.松竹梅
松竹梅は、元々中国の「歳寒三友」という画題の1つで、寒い冬でに枯れず、緑を保つ松と竹、美しい花を咲かせる梅は、冬を過ごす友として親しまれていました。その後日本に渡り、徐々にその意味を変えていきました。松は「長寿」、竹は「子孫繁栄」、梅は「気高さ」の象徴とされていたため、松竹梅は、縁起物として今では日本で広く知られています。
4.牡丹
古くから日本では、女性の美しさを表現する際に「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という言葉を使います。このように牡丹は、女性の美しさを表す花であり、婚礼衣装の柄にぴったりです。
また、中国の皇帝からとても寵愛を受けた花とされ、その歴史から、牡丹には「富貴」という意味があります。
5.桜
6.藤
藤はマメ科のつる性植物で、しっかりとつるを他の植物に巻き付けて成長することから、「決して離れない」という花言葉があります。一生共に生きていくという覚悟を体現する花と言えるでしょう。
7.菊
天皇家を象徴する紋章として定められている菊は、桜同様、日本の国花です。菊は元々、薬として使われていたため、不老長寿という意味が込められています。また、菊を飾ると福が訪れるとされており、結婚式に限らず、縁起のいいお花なんです。
※まとめ※
色打掛を選ぶときに色や模様の美しさを基準に選ぶことが大切ですが、見た目の美しさのみを基準にして考えていると、決められないことも多いでしょう。そんなときは、模様に込められた意味も選ぶ基準にするとステキな一着にめぐり合うことができるかも!?
そうすることで選ぶことがより楽しく、そして決めた色打掛に袖を通すときの気持ちも変わるでしょう♡♡
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