知っておいて損はない!結婚式での新郎新婦のテーブルマナー*
ゲストのために料理にこだわった会場を選んでも、主役である新郎新婦はなかなか食事を楽しめない、という話をよく聞きます。そもそも、花嫁花婿は料理を食べてはいけないの?それとも食べないと失礼にあたる?などなど、初めてのことで分からないことだらけの "結婚式・披露宴中における新郎新婦の食事と乾杯のマナー"についてまとめてみました!
1.新郎新婦は披露宴中に料理を食べてはいけないの?
披露宴では、着席して食事が始まってからも、ゲストが新郎新婦のためにスピーチや余興をしてくださったり、お祝いを言いに来てくださったりしますよね。ゲストから常に注目を浴びているため、食事をしているところを見られるのが気になってしまい、落ち着いてお食事をできる環境ではないかもしれません。実際のところ、披露宴中の新郎新婦は「食べてはいけない」のではなく、「食べるタイミングがない」という状態におかれます。
新郎新婦が料理に手をつけなくても失礼にはあたりませんし、もちろん、絶対に食べてはいけない、というマナーは存在しません!ただし、配慮したいのは、スピーチや余興をして頂いている最中のお食事。やはりお祝いのお言葉をいただいている際に新郎新婦が料理に夢中では、失礼にあたります。
余興についても、フォークやナイフを使う動作が目立たず大きく口を開けずに食べられるように、スタッフさんに一口大に切って頂くなどお願いしておきましょう。合間でタイミングを計りながら少しずつ楽しむのは良いと思います。カジュアルなレストランウエディングでしたら、スピーチのとき以外は気軽に料理を召し上がっても大丈夫ですよ。
2.見られているからこそ意識したい“エレガントな所作”
高砂に座って注目を浴びる状態が続きますので、せっかくならめいっぱいエレガントな所作を心掛けましょう。特別な衣装と会場の雰囲気も相まって気分は貴族の会食気分に?!慣れない衣装で、コース料理などかしこまったお食事が多いことから、食べ物を口に運ぶ際に姿勢が崩れがちです。前かがみで頭を下げたいわゆる「犬食い」の姿勢になってしまったりすると、せっかくドレスアップしたのに残念な見た目に…そんな時は、テーブルと体の間に拳1~2個分の空間を空け、スープを召し上がる時も“胸から少しだけ前に倒す”ようにしましょう。
ハードカバーの本を頭に乗せていると想像して、落ちない状態を保ってお食事をいただく、そのくらいの姿勢を意識すると、背筋が伸びて優雅にお食事をいただいているように見えます。
また、むやみに食器を触ったり移動させない、動かすならお皿を引きずらないよう少し持ち上げて動かすこと。膝の上にナプキンを敷くのは当然のマナーですが、万が一ウエディングドレスにソースが飛んでしまった場合は、あわてて自分でふいたりせずにすぐにスタッフさんに伝えましょう。
和装、特に色打掛で披露宴にのぞむ方が知っておいてほしいのは、「和装は腕が上がらない」ということ。おそらくスタッフさんから事前にアドバイスがもらえますが、袖が重たく、また着崩れないようにがっちりと着付けがしてあるので遠くの飲み物をとったり、お食事を口に運ぶのに苦労します。お色直しまでお食事は我慢するか、くだけた雰囲気の披露宴であれば、お祝いを言いに来てくれたお友達などにお願いして食べさせてもらうなどしましょう。
3.お酒は得意じゃない…断るのは失礼?
お祝いの席ではお酌をしにきてくださる方も多く、断るのは失礼だとついつい思ってしまいますよね。しかし、フォーマルなパーティーで主役の新郎新婦が酔ってしまうほうが、実はもっと失礼。マナーの観点でいえばとても恥ずかしいことなのです。
乾杯のシャンパンは“口を付ける”のがマナーですが、それ以降は無理に飲まなくてもかまいません。乾杯のシャンパンも全て飲み干すのが大変だったら残してしまっても問題ありません。お酒が飲めないことを事前に会場のスタッフの方に伝えて、ソフトドリンクを用意してもらいましょう。
お酌が続いてこれ以上飲むと酔いそうだと感じたら、足元にバケツなどを用意してもらい、そっと入れてしまいましょう。お酌をお断りするのは、実はマナー違反ではないのです。グラスの上に手をかざして「ありがとうございます、でも結構です」と、最初に必ずお礼を述べてお断りするのがスマートな方法です。
また、新婦は新郎にも気遣いをしてあげたいところ。披露宴の場でプレッシャーを感じていたり、職場の方へ気を遣ってついつい飲みすぎてしまいがちです。スピーチの前に泥酔してしまっては大変ですので、声をかけてあげるなどしましょう。
4.【おまけ】エレガントに見えるグラスの持ち方や乾杯の仕方
披露宴の最初に全員でおこなう乾杯のほかにも、新郎新婦は高砂まで挨拶にお見えになった方との乾杯の機会が多いため、美しいグラスの持ち方ができるとより一層素敵ですね。ワイングラスやシャンパングラスにも持ち方のマナーがあるんです。
よく脚(ステム)の部分を持つ方がいますが、実は、これはテイスティングのスタイル。国際的なマナーではボウルの部分を持つのがルールです。あまり神経質にならなくても良いですが、本来はボウルの底に近い部分を軽く自然に持つのが花嫁をエレガントに見せてくれます。
また、ついやってしまいがちなのが、お酒をついでいただく際にグラスの下に片手を添えてしまうこと。実は、国際マナーでは失礼な行為です。日本では茶器などを両手で持つのが丁寧な所作ですが、欧米では器の下に手を添えることは、「底に穴が空いている粗悪品では?と疑う行為」というのが由来です。グラスは必ず、片手で持つようにしましょう。
なお、格式の高い場所では薄く繊細な上等のワイングラスを使うため、乾杯はグラス同士をぶつけることはせず軽く掲げるだけです。ただし、結婚式での乾杯には、グラスを触れさせた音で「魔を祓う」意味があるとも言われますから、割れないように注意を払いながら、その場の雰囲気に合わせて適応しても問題ないでしょう。
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